
このページでは錆転換剤の必要性と効果について職人目線で解説していきます。
金属屋根に赤い錆が出てくると、「このまま放置して大丈夫か」「錆転換剤は必要なのか」と不安になる方は少なくありません。塗装業者から提案されても、錆止め塗料との違いが分からず、判断に迷うこともあるでしょう。
この記事では、新潟市で金属屋根の塗装を行ってきた現場の判断をもとに、錆転換剤が必要なケースと不要なケース、効果と限界、下地処理の考え方をお伝えします。
錆転換剤は必要?最初に職人としての結論をお伝えします
結論から言うと、錆転換剤は「必ず必要」ではありません。
必要なのは、赤い錆が出ており、「このまま放置すると穴が開いてしまうかもしれない」と感じるほど錆が進行している場合です。

一方、そこまで錆びていない屋根では、錆止め塗料で十分なことが多いです。また、錆が出ていない金属に錆転換剤を塗っても効果は得られず、逆に密着を悪くしてしまうこともあります。
つまり、錆転換剤の要否は「塗れば安心」という話ではなく、屋根の状態を見て判断するものです。
錆転換剤とは?錆止め塗料との違い
現場では、お客様に次のように説明しています。
錆転換剤の役割
錆転換剤は、赤錆を黒錆に変えるためのものです。
- 赤錆 … 錆が進行していく、いわば「悪性の錆」
- 黒錆 … 錆が出ていない新品の鉄に近い状態。中華鍋のような黒い鉄のイメージ
赤錆を黒錆に変えることで、錆びにくい状態をつくる、というのが錆転換剤の役割です。
錆止め塗料の役割
錆止め塗料は、錆を止める塗料であり、密着を良くする塗料です。
ハピクルリフォームでは、錆転換剤を塗ったあとに錆止め塗料を塗る流れにしています。錆転換剤を使う場合でも、錆止め塗料は必ず塗装します。
工程の違い
| 工程 | 内容 |
|---|---|
| ケレン(下地処理) | 表面の塗膜を剥がし、錆びている部分を露出させる |
| 錆転換剤(必要な場合のみ) | 赤錆を黒錆に変える |
| 錆止め塗料 | 錆止めと密着の確保 |
| 中塗り・上塗り | 色を乗せ、塗膜で保護する |
錆転換剤を使う場合は、錆止め塗料の前に一工程増えます。その分、費用は上がります。ただし、「長持ちにつながる」と説明すると、多くのお客様にご理解いただけます。
なお、錆転換剤を使わず、錆止め塗料を2回塗る施工もあります。それも良い施工です。「錆転換剤を塗る会社=良い会社」「塗らない会社=悪い会社」ではありません。 会社によって塗装方法は変わります。大切なのは、施工方法をよく聞き、納得したうえで依頼することです。
使用する製品によって、反応の仕方や乾燥時間、塗り重ねの条件は異なります。実際の施工では、使用する製品の仕様書を確認する必要があります。
錆転換剤が必要になる屋根の状態

現場で錆転換剤が必要だと考えるのは、次のような状態です。
- 赤い錆が出ている
- このまま放置すると、穴が開いてしまうかもしれないと感じるほど進行している
- 真っ赤に錆びている状態
錆が出やすいのは、トタンや鉄製の屋根です。ガルバリウム鋼板は基本的に錆が出にくいため、錆転換剤は必要ありません。
特に錆が出やすい場所
金属屋根では、次の場所に錆が出やすい傾向があります。
- 合わせ目 … 特に錆びやすい
- 雪止めまわり … 雪や雨が最後まで残りやすい
- 軒先 … 同様に、水分がとどまりやすい
こうした場所は、屋根全体を見たときに先に傷みが出やすいポイントです。
錆転換剤が不要なケースと注意点

錆転換剤が不要だと考えるのは、次のような場合です。
- そこまで錆びていない場合 … 錆止め塗料で十分なことが多い
- 錆が出ていない金属屋根 … 錆転換剤の効果は得られない
- ガルバリウム鋼板 … 基本的に錆が出ないため不要
ここで注意してほしいのは、「錆転換剤が不要」と「屋根塗装そのものが不要」は別の話だということです。
錆が出ていなくても、屋根の塗装が薄くなっていれば、屋根塗装は必要です。錆転換剤は使わなくても、塗膜の保護を回復するための塗装は検討したほうがよいケースがあります。
お客様に特に知っておいてほしいこと
- 錆転換剤の塗装は、必ず必要ではない
- 錆びていない金属に塗っても効果はなく、密着を悪くすることもある
- 赤く広範囲に錆びている金属に塗装すれば、効果が期待できる
- 業者選びは「錆転換剤の有無」だけで判断しない
- 施工方法をよく聞き、納得したうえで依頼する
新潟市の屋根塗装事例:西区大野の工場・鉄製折半屋根
ここからは、実際に錆転換剤を使用した施工事例をご紹介します。
施工事例ページ: 【新潟市西区大野】工場の金属屋根塗装|エスケープレミアムルーフSiを塗装
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 新潟市西区大野 |
| 築年数 | 約30年以上 |
| 屋根材 | 鉄製折半屋根 |
| 塗装面積 | 約250㎡ |
| 工事内容 | 屋根塗装 |
| 工事費用 | 約95万円(屋根塗装のみ) |
| 工事期間 | 約2週間 |
施工前の屋根の状態

施工前の屋根は、塗膜が薄くなり、金属が剥き出しになっている状態でした。艶もなくなっており、雨を弾きにくくなっていました。
錆は全体的に広がっていました。 金属屋根では合わせ目が特に錆びやすく、この現場でも錆の進行が見られました。
この段階で塗装できたのは、幸いでした。錆が出ていると、早いスピードで広がっていくためです。
錆転換剤を使用した理由

この現場では、真っ赤に錆びている状態だったため、錆転換剤を使用しました。
錆転換剤を使うかどうかは、「長年の経験による目利き」で判断しています。そこまで錆びていない場合は錆止め塗料で済ませますが、この現場は錆転換剤が必要なレベルでした。
ケレンなどの下地処理

錆転換剤を塗る前に、ケレン(錆落とし・下地処理)を行います。
一見、錆が出ていないように見えても、ケレンすると表面の塗料が取れて錆が現れてきます。その状態にしないと、錆転換剤も錆止め塗料も効果を発揮できません。
この現場では、カップワイヤーという機械で錆を落とし、機械が入らないところはマジックロンで隅々まで処理しました。意識しているのは、表面の塗装をできるだけ剥がし、錆びている部分を露出させることです。
良い状態にするために、一度「悪い状態」(塗装を剥がし、見た目が悪くなる状態)にすることが大切です。機械で完全に錆を落とし切ることはできないため、そのあとに錆転換剤で錆びにくい状態をつくります。
錆転換剤と錆止め塗料の使い分け

ケレンのあとは、次の流れで塗装しました。
- 錆転換剤 … 赤錆を黒錆に変え、錆びにくい状態をつくる
- 錆止め塗料(下塗り) … 錆止めと密着の確保
- 中塗り … シリコン塗料(エスケープレミアムルーフSi)1回目
- 上塗り … 同塗料の2回目
錆転換剤の製品名は、製品によって仕様が異なるため、ここでは特定しません。実際の施工では、使用する製品の仕様書に従って作業します。
塗装完了後の様子

塗装後は、鏡のように輝き、ピカピカに仕上がりました。表面に塗膜が形成されているため、雨が降ると水が勢いよく流れていきます。
屋根は常に紫外線と雨を受ける場所です。定期的な塗装で劣化を抑え、雨漏りのリスクを下げることができます。
錆転換剤の効果がわかりやすい事例:燕市のシャッター塗装
屋根ではありませんが、錆転換剤を塗る前と塗ったあとの違いがわかりやすい事例があります。
施工事例ページ: 【燕市】錆びたシャッターを塗装|シリコン塗料|費用15万円
この現場は、一度も塗装したことがない鉄製シャッターで、錆が広範囲に広がっていました。穴が開くほどではなかったため、交換ではなく塗装で対応しました。
ケレンのあと、錆転換剤を塗ると黒く変色し、中華鍋のような黒い鉄の状態になります。この「赤から黒へ」の変化が、錆転換剤の役割を視覚的に理解しやすいポイントです。
その後、錆止め塗料 → 上塗り2回の流れで仕上げました。工事費用は約15万円、工期は3日間です。
屋根でもシャッターでも、考え方は同じです。ケレンで錆を露出させ、必要なら錆転換剤、そのあとに錆止め、そして上塗りという順番です。



この写真を見るとわかりますが、真っ赤に錆びていたシャッターですが、錆落としをして、錆転換剤を塗装したことで黒く変色しています。
このように黒くなるのは、新品の鉄のような黒錆に変わった証拠です。
この状態にしてから錆止め塗料と上塗り塗料を塗ると長持ち度が上がります。
錆転換剤を使えば安心というわけではない理由
錆転換剤は有効な手段ですが、「塗ればどんな錆も止められる」わけではありません。
穴が開いている場合は、塗装では対応できない

錆が進行して穴が開いている場合は、塗装不可です。その場合は、屋根カバーリングなどを検討します。
施工事例ページ: 【新潟市東区】鉄板屋根のカバーリング工事
この現場では、錆が進行して穴が空き、雨漏りもしていました。そのため、既存の鉄板屋根の上から新しい鉄板を貼るカバーリング工事を行いました。
錆転換剤は「錆を抑えやすくする」ためのものであって、穴が開いた屋根を塗装で直す手段ではありません。

錆が進行しすぎた場合は塗装ではなくカバーリング(既存の屋根の上から新しい屋根を貼る工事)をおすすめします。
新潟市の金属屋根で錆が発生しやすい条件
新潟市で金属屋根を見てきた実感として、特に次の影響が大きいと感じます。
海沿いの塩害

海沿いでは、塩害の影響が大きいです。通常ではここまで錆は出ないのに、海沿いでは錆の出かたがかなり進んでいる、と感じることがあります。
海に近い地域と内陸部では、金属屋根の錆の出方に大きな違いがあります。塩害の影響は、想像以上に大きいです。
雪による塗膜の剥がれ

雪の影響もあります。雪が積もり、その雪が流れていくときに、屋根の塗料も一緒に剥がしてしまうことがあります。それを繰り返すと、屋根は傷んでいきます。
雪止めや軒先は、雪や雨が最後まで残る部分なので、錆びやすい傾向があります。
新潟市の屋根全体の傷み方については、次の記事もあわせてご覧ください。
錆転換剤に関してよくある質問
Q. 錆転換剤と錆止め塗料は、どちらを選べばよいですか?
どちらか一方を選ぶ、というより役割が違います。 錆転換剤は赤錆を黒錆に変えるもの、錆止め塗料は錆止めと密着を担うものです。錆転換剤を使う場合でも、そのあとに錆止め塗料を塗る流れが基本です。
Q. 錆転換剤を使わない施工は、手抜きですか?
いいえ。そこまで錆びていない場合は、錆止め塗料で十分なことがあります。また、錆止め塗料を2回塗る施工もあります。それも良い施工です。要否は屋根の状態で決まります。
Q. 錆転換剤を使うと、費用は上がりますか?
はい。錆止め塗料の前に一工程増えるため、その分の費用は上がります。ただし、錆の進行が強い現場では、長持ちにつながる工程としてご説明しています。
Q. ガルバリウム鋼板にも錆転換剤は必要ですか?
基本的には不要です。ガルバリウム鋼板は錆が出にくいためです。錆が出ていない金属に塗っても効果は得られず、密着を悪くすることもあります。
Q. 屋根の錆が気になります。自分で判断できますか?
地上から見える範囲で錆の有無を確認することはできますが、必要な処置は状態によって異なります。まずは屋根の状況を確認することが大切です。
見えなくなるところこそ大切にしたい
ハピクルリフォームの考え方は、「見えなくなるところこそ美しくする」です。
人は、表面だけがきれいになるのではなく、内部から順番にきれいになっていく様子を見ることを好みます。日本人は「人は外見だけでなく、内面が大事」という感覚を大切にします。塗装工事も同じです。
そのため、作業報告書では錆転換剤の塗装前・塗装後をお伝えしています。見積もり時にお渡しする工事説明書でも、錆転換剤の塗装前・塗装後の写真をお見せしています。
必要な作業と不要な作業は、屋根の状態を見て判断します。不要な工程を増やして安心を売るのではなく、必要な工程を丁寧に行うことを大切にしています。
下地処理へのこだわりについては、次の記事もご参照ください。
新潟市で屋根の錆や塗装についてお悩みの方へ
金属屋根に赤い錆が出ていると不安になりますが、必要な処置は屋根の状態によって異なります。
- 錆が進行している → ケレン+錆転換剤+錆止め+上塗り、などの塗装対応
- そこまで錆びていない → 錆止め塗料を中心とした塗装対応
- 穴が開いている → 塗装ではなくカバーリングなどの検討
状態によって必要な処置は異なるため、まずは屋根の状況を確認することが大切です。
新潟市で屋根塗装をご検討中の方は、費用・塗料・施工の流れをまとめた屋根塗装に関する記事もあわせてご覧ください。
- 新潟市の屋根塗装ならハピクルリフォーム|職人直営・自社施工
- 西区大野・工場金属屋根の施工事例
- 燕市・シャッター塗装の施工事例(錆転換剤前後)
- 東区・鉄板屋根カバーリングの施工事例
- 東区・錆びた折半屋根の施工事例
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